楽曲分析

BTS『Butter』の楽曲分析をしてみる

こんにちは、よしたく先生です。

吉田音楽工房というホームページで楽曲制作や依頼についてまとめていたんですが、どうもラフなコラムを書くには堅苦しくなってしまったので、昔使っていたブログを復活させました。

さて、先日思いつきでこのようなツイートをしました。

「僕の強みを生かしつつ、皆さんに還元できる何か」を考えたところ、とりあえず楽曲分析が思い浮かんだので、皆さんの知り合いに「この曲ってこうなんだよ」って話せるような内容をまとめてみようかと思いました。

ただあまり専門的すぎると読んでいても分からなくなってしまうと思うので、要点だけ覚えていられるような内容にまとめてみます。

それと私は作曲家なので、その専門の範囲内でのみお話しすることにします。

投票の結果、なんと100%の方が僕の分析に興味を持ってくれているようでした。ありがとうございます、早速分析を進めましょう。

曲について

この曲は前作「Dynamite」に続いて2作目の英語詞の曲みたいですね。低音がブンブン出ていて、効果音的な音もたくさんあり、ただ聴くだけでも楽しくノリがいい曲です。

キー:♭4つ(A♭またはFm)
コード進行:楽器.me(キー±0)

①歌い出しからの「ブルー」な感じ

この曲の歌い出しは”Smooth like butter”という歌詞になっていますが、“Smooth”の音の高さはG♭になっています。

楽譜を掲載するのは著作権的にまずいので、音列を書いた五線譜を用意してみました。

♭が付いている音はブルーノートと呼ばれ、ブルースでよく使われる音です。ポップスで使うのは少し難しいのですが、良い意味で期待を裏切られる音です。

ちなみに、ブルーノートはAメロにのみ出てきて、Bメロでは(おそらく意図的に)出てきていません。サビでは普通のGに戻っています。

②「Dynamite」のサビとメロディーが同じ形

サビの“Side step”からの部分ですが、実は”Dynamite”のサビと同じ形になっています。音列を書いた五線譜を用意したので、適当にリズムを付けて演奏してみると分かるかもしれません。

「ドシラソファミ」と下がる部分が完全に一致しています。

ただこれは単なる偶然(だと思うの)で、正しく表現するなら「間の音を飛ばすことなく、6つの音が並んでいる」という部分が同じです。

サビの最初が一番高い音でその後は下がるだけというのは、「童謡かな?」って思うくらい簡単な作りですが、世界的に良いと思ってもらう曲はこのくらい単純な作りの方がいいと思います。

まとめ

他にも音域が狭いとか、コード進行が単純だとか細かく説明できる部分はあるのですが、この記事では省略したいと思います。興味がある人は個別に質問してください。

大きく流行る曲にはそのための理由が必ず組み込まれており、それを詳らかにするのはとても面白いです。

とはいえ、それが分かったからと言って流行る曲を作れるわけではないのが音楽の難しいところですね。