クラシック

楽譜を”丁寧に”書けるようになるコツをお教えします

こんにちは、よしたく先生です。

突然ですが、皆さんは楽譜を書くのは得意ですか?

楽器を演奏している方が楽譜を書くことはあまり多くないかもしれませんが、メモや楽譜の修正など、時として必要になる場面はあるかもしれません。

ネットにはあまり楽譜の書き方についての情報がない印象ですが、読みやすく演奏しやすい楽譜を書くためには色々なコツが必要になります。

私は作曲家なので、作曲の先生から「演奏家が読みやすいと思う楽譜を書きなさい」と何度も何度も言われてきて、その都度意識してきました。

そのおかげか、今では他人が見ても読みやすい楽譜が書けていると思います。楽器を演奏する人から苦情がきたことはありません。

そこで今回は、楽譜を丁寧に書くコツについて少しお教えしようと思います。

良くない楽譜と良い楽譜の例

たまに見る良くない楽譜を、簡単に書いてみました。

こういう楽譜を書いた心当たりのある方はいるでしょうか。

自分のためのメモとして書く分には良いと思いますが、これを見て他の方がストレスなく演奏できるかと言われると少し怪しいと思います。

次にまとめたコツを押さえて、丁寧に楽譜を書けるようにしていきましょう。

その① 音符は綺麗な形で、しっかり塗りつぶす

簡易的に玉の部分(符頭)を斜め線で書く人がいますが、そうすると線の長さの違いやずれによって、どの高さの音符なのかが分かりにくくなることがあります。

また、符頭は正円ではなくて、反時計回りに少し傾いた楕円形です。手書きで書くのは難しいですが、塗るときに調整すると良いでしょう。

音符の輪郭は下から書くとつなぎ目が目立たなくて良いと思います。その後で中を塗りつぶしていきますが、塗り残しがあると二分音符のようにも見えるので注意が必要です。

その② 棒の長さに気を付ける

全音符以外の音符では縦棒(符幹)を書きますが、この棒の長さは符頭3つ分の長さと決まっています。

ですから、例えばト音記号のファの高さに音符を書くと、五線の上端とぴったり合うことになります。

符幹は短い人が多い印象なので、意識的に長めに書くと見やすくなると思います。

ちなみに八分音符より短い音符は、旗(符尾)の数によって縦線の長さが長くなりますので、符尾が窮屈にならないように長さを調節してください。

その③ 連桁を太く塗りつぶす

八分音符以下の音符が並んで繋がった線(連桁:れんこう)を太く書きましょう。

五線は横線が基本になるので、それよりも太く書くことで見やすくしなさいと、よく作曲の先生に言われていました。

横線を4本くらい書いて、塗りつぶすようなイメージが良いと思います。

十六分音符やそれ以下の音符ではスペースの配分が難しくなりますが、極力太く書くことをおすすめします。

その④ 音符と音符の間隔を気を付ける

出版されている楽譜を見てみると、二部音符の右側のスペースと四分音符の右側のスペースでは、倍くらい違いがあると思います。

基本的に短い音符の右側は狭く、長い音符の右側は広くスペースを取るようにしましょう。

ただ小節の幅によっては、あまり大きな差をつけない方が見やすくなることが多いです。

これらのテクニックに気をつけると、より綺麗な楽譜を書くことができるようになると思います。

おまけ

浄書された楽譜の書き方に沿って書けば、極端に読みにくい楽譜にはならないはずです。

今回は特に音符についての内容でしたが、小節線や拍子、ダイナミクスなどの記号についても細かいルールが決められています

興味がある方は700ページ超のBehind Bars(Amazonリンク)という本を眺めてみると面白いかもしれません。

私はドイツ語版を持っているのですが、とても細かい内容まで載っているので浄書の勉強をしたい方にはおすすめです。