リハーモナイズ

[V7(b5)]〜リバーシブルな和音〜

こんにちは、変な和音研究家のよしたくです。

先日、僕が作曲した「さよならは言わない」を歌ってもらった音源をYouTubeで公開しました。

この曲の0:58にG7(b5)という和音があるのですが、その和音について少し紹介したいと思います。

V7(b5)について

この和音はディグリーネームで書くとV7(b5)になり、ドミナントとしての機能を持ちます。

例えばG7(b5)は、Cメジャーキーでドミナントとして機能します。

そしてこのV7(b5)は、メロディーやその他のパートとb5の音がぶつからない限り、常にV7と入れ替えることができます。

この和音は「リバーシブル」だということが最大の特徴で、基本形の下2つと上2つを入れ替えると他調のV7(b5)として機能します。

ソシレbファの上下を入れ替えてレbファソシ、異名同音で置き換えるとDb7(b5)になり、Gbメジャーキーのドミナントになります。

正十二角形の頂点それぞれに12音を割り当て、図形としてこの和音を表示すると長方形になります。

ですのでこの和音は、音の組み合わせとしては[1,5,7,11]、[2,6,8,12]、[3,7,9,1]、[4,8,10,2]、[5,9,11,3]、[6,10,12,4]の6種類しかありません。

また、この和音は2種類あるうちのどちらかの全音音階に内包されています。

使い方

このコードは普通にV7と置き換えられるだけでなく、セカンダリードミナントも置き換えることができます。

今回の例でも、Dbメジャーキーにおいてサブドミナントの調(Gbメジャーキー)のツーファイブを置き換えています。

ベースラインだけをなぞってもかなりトリッキーな響きになるので、機会があればぜひ使ってみてください。

ちなみに、子どもたちが歌う曲で実験的な和音を取り入れているのは、歌うのが簡単でもお洒落な雰囲気を感じてほしいからです。

リズムや拍子で表現すると歌いにくくなるので、ハーモニーで表現しています。

おまけ

他にも、「はるの花ばたけ」という曲も同じコンセプトで作曲しています。

ABOUT ME
Takuya Yoshida
福島県小野町出身。東京学芸大学教育学研究科を修了し、現在はフリーランスの作曲家、そして都内の小学校の音楽科非常勤講師を務める。 また「よしたく先生」としてYouTubeなどに演奏動画をアップロードし、多くの人と音楽を続けていくための活動を行なっている。福島県田村郡小野町立小野小学校の校歌を作曲している。
楽曲提供なら「吉田音楽工房」

当サイトを運営しているよしたくが楽曲提供をするために作った工房です。こちらからホームページをご覧ください。

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